2013年06月19日

バイノーラルのすゝめ

バイノーラル録音、というものを知っていますか?


ヘッドホンで聞くためだけの録音方法です。
人の頭を模したスタンド(ダミー・ヘッド)の耳に相当する部分にマイクを仕込み、一般的なマイク録音(ステレオフォニック)では記録されない、頭部(頭蓋骨や耳たぶ)による音声の回り込みまで録音時に加味されることで、直接耳に当てるヘッドホンでも臨場感あふれるリスニングができるよう工夫された録音方法です。
一般的な空間にマイクを2本(それ以上も)配置された方法で録音された音楽をヘッドホンで聴くと、頭の真ん中で音楽が鳴っているように感じませんか?それがダミー・ヘッドを使ったバイノーラル録音では、すごく自然、「コンサート会場の中に居るのってこんな感じ?」みたいにヘッドホンをすればどこでもなれちゃいます。

さて、ラジオラヴィートの市川さんにこんなCDを借りました。人の声はバイノーラル、音楽は一般的なステレオフォニックで録音されていて、その違いがはっきりわかりとても楽しめる、昔の市川さんが作った非売品CDです。






今はなき福岡ダイエーホークス(あると言えばあるか)、その応援CD。中に出てくる球場名は「平和台」です。
最近めったに見ない8cmCDです。




出演者は有名人ぞろい、今はいないあの人まで多彩。



CDをプレーヤーにかけてヘッドホンで聞くと、この人たちの話す言葉が頭の周りをグルグル回ります。一般のCDと違いその音はヘッドホンのはるか外まで広がり、臨場感がたっぷりです。
ときおり流れる音楽は一般的な録音なので、その違いがチェックでき、バイノーラル録音の効果を知るには最適な作りになっています。

僕は、いまこそバイノーラルじゃないか、って思うんです。
オーディオの歴史の中で、今ほどヘッドホンが普及している時代はありません。だれもがいつでもヘッドホンで音楽を楽しむことのできる、すばらしい時代です。
また、家庭には5.1chとか7.1chとか人の周りを音で取り囲むことのできるサラウンドシステムを組み込んだホームシアターが当たり前のように入り込み、前方にオーケストラ後ろからは残響音と拍手、というような臨場感あふれる音場を容易く楽しむことができるようになりました。

なのに、ヘッドホンのために録音された立体感・臨場感あふれるCDが皆無なのはなぜでしょう。
最近のシングルCDは5曲も6曲も入っています。バイノーラルバージョン、なんてどうでしょう?
ダウンロード販売なら、「ヘッドホンでのみ聞く人向け」ってコーナー作ってもいいですよね。
バイノーラルのラジオ番組あってもいいですよね(昔はあった)。とてもスピーカーから音を出すわけには行かないアダルト番組とか(これは、昔もなかった、いや、LPなら出てたかも)。

僕にiPhoneにこの「Go!Go!Hawks」入れて、付属のチープなイヤホンで聞いてます。それでも、充分バイノーラルの魅力はわかります。




かつてないヘッドホンの時代。ヘッドホンでしか楽しめないコンテンツがもっともっとあってもいいのに。
なんかやりましょうよ、市川さん!  


Posted by 豊田一番街ー at 08:01Comments(0)ホンダ薬局 対話型薬局